健康やダイエットの事を考えて多くの人が一番初めにするのは『食生活の改善』ではないでしょうか??
サラダを食べるようにしたり、白米を玄米に変えたりしている人も多いようです。
でも、この食べるものの変化には意外な落とし穴が存在するのです。
逆に食べ合わせが悪くなって、体調不良や病気の原因になってしまう事もありえるのです!!
ここでは、米国ジョージア州立大学などあらゆる大学で学び、日本で初めて栄養学的な面から「食べ合わせ」を提唱した、栄養学博士の白鳥早奈英さん著『やってはいけない「食べ合わせ」』から、意外なNG例を紹介しましょう。
健康のために「玄米菜食」を心がけている人も多いでしょう。でもじつはどちらも食物繊維を多く含むので「玄米と野菜だけ」だと過剰摂取になってしまい、体に良くありません。
食物繊維は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを排出してしまう作用もあります。そしてカルシウム不足は、精神不安定や骨粗しょう症、高血圧、動脈硬化の原因になることも…。またマグネシウムは筋肉の動き、骨の形成を助ける働きがあります。
この2つのミネラルが不足すると、心臓の筋肉も充分に動かなくなってしまう恐れがあるので、気をつけましょう。
和食の定番とも言える「大豆とひじきの煮物」。じつはこれ、大豆の「フィチン酸」がひじきに含まれるカルシウムの吸収を妨げる、良くない食べ合わせ。
大豆は便秘解消効果のあるサポニンを多く含んでいるので、ひじきの食物繊維と合わさると、腸を刺激しすぎるケースも…。
便秘解消は「繊維の多い野菜をたくさんとればいい」というわけではありません。オススメは「半熟卵+オクラの煮物」。消化吸収がいいだけでなく、オクラに含まれるペプチンが腸をいたわってくれます。
味にクセがなく、色どりもよいキュウリは、どんなサラダにもよく合います。でも、キュウリに含まれるアスコルビナーゼという酵素はビタミンCを破壊してしまいます。
この酵素はキュウリ以外にも、ニンジンやカボチャに含まれていますが、48℃以上の熱を加えれば大丈夫。生で食べるときは、酢の入ったドレッシングをかけるのが◎。
ビタミンCが豊富な赤ピーマンなどの野菜だとアスコルビナーゼが作用してしまうので、食べ合わせるならセロリのようなビタミンB1、B2を含む野菜と食べ合わせてみては?
じつは、摂取しすぎると危険なビタミンもあります。
ビタミンB1・B2・B6・B12・Cやニコチン酸、パントテン酸といった「水溶性ビタミン」は、どれだけ摂取しても体外に排出されます。「脂溶性ビタミン」であるビタミンA・D・E・Kは、体内に蓄積されるので注意が必要です。
とくにビタミンAは、1日の必要量を超えると「過剰症」になることも。急性の場合は吐き気や眠気、慢性の場合は食欲不振などの原因にもなります。
たとえば、バターの脂肪分はニンジンのβ-カロテンの吸収を促進しますが、カロテンは体内に吸収されるとビタミンAになるので、この食べ合わせは厳禁。
日本人は一般的に鉄分不足の傾向があります。とくに、貧血を引き起こしやすい「潜在性鉄欠乏症」の人が多いんです。
鉄には、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があって、どちらも必要です。「ヘム鉄」に比べて「非ヘム鉄」は吸収されにくいので、食べ合わせで手助けをしましょう。
たとえば「非ヘム鉄」を多く含む、ほうれん草。ビタミンCも含まれているので、タンパク質が摂取できるイワシの丸干しなどとの食べ合わせがオススメです。
逆に、ゆで卵は含硫アミノ酸が熱分解して硫化水素になるので、「非ヘム鉄」と結合すると、せっかくの栄養素が台無しになってしまいます…。