赤、白、ロゼ、アルコール度数が一緒なら、酔い方だって同じはずと思っている人たちへ。ワインの色によって「二日酔いの度合い」がまったく違うという事実を覚えておきましょう。週半ば、明日も朝から大事な仕事。そんな夜に避けるべき色は……?
“二日酔い”しやすいのは「赤」ワイン
答えは「赤ワイン」。でも、ちょっと待て。タンニン、カテキン、フラボノイドといったポリフェノールを多く含有し、抗酸化作用も注目される赤ワインは、「体にいいもの」という印象があるはずだ。
けれど実際のところは、白<ロゼ<赤の順で二日酔いを誘因しやすい。と、「INSIDER」は飲み方指南をを交えて解説している。
原因は、発酵によって生成される
不純物にアリ
では、なぜそう言えるのか?これを科学的に調査したのが、豪パースにある国立薬物研究所のSteve Allsop教授。曰く、翌朝気分が悪くなるかどうかは、ワインに含まれる不純物の量に関係し、二日酔いの強さは、口にするワインに含まれる“コンジナー”の量によるもの、とAllsop教授は「ABC News」の記事の中で説明した。
この聞きなれない「コンジナー」とは、ブドウや穀類など原料中のタンパク質と糖質が発酵するときに生成される副産物のこと。この物質が二日酔いの不快感を引き起こす張本人なんだとか。
果汁のみ使用する白ワインと違い、赤ワインはブドウの皮や種も一緒に醸造するため、当然ながらコンジナーの量も多くなる。ゆえに、ワインの中では白<ロゼ<赤の順で、二日酔いしやすくなるという話。
ところがこのコンジナー、ワインの色や香りを決定づける「風味」としても一役買っている。それゆえの副産物。一概に「コンジナー=悪の元凶」という位置付けにもできない。
日本酒、ビールなど
ほどほどにしたい醸造酒
もちろん、このコンジナーが二日酔いの可能性を測るための唯一の指標ではない。ワインの温度を原因とする人もいれば、炭酸入りのスパークリングワインの方が、酔いが回るという意見も。これは、炭酸によって血中へのアルコールの吸収が促進されるため。
そうなると、すべては「体質による?」と思いたくなるが、色よりもまずは、不純物、添加物の量で測ってみることが重要。ぜひ一度試してみて欲しい。
ちなみにワインだけでなく、日本酒、ビールといった種類のお酒はどれも「醸造酒」。その醸造酒を気化・冷却することで純度を高めた「蒸留酒」は、一般的に二日酔いしにくいと言われている。ウィスキーや焼酎などがそれ。
よく耳にする「ワインは悪酔いする」、「日本酒は次の日残る」は、ある意味ホントということだけは間違いないようだ。